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2014.02.14 (Fri)

今日は作り話

 給料をもらった夜、先輩に誘われてすすきのに飲みに出掛けた。

 何軒か店を変えて時間はもう午前3時を過ぎていた。

 あいつは昼間っから酒飲んでるから完全にアル中なんだよ、と店主の方にちらりとあごを向けて呟いていた。

 そんな話しには全然興味がないから、僕はバーボンを飲み続けていた。

 多分明日は一日中頭が痛いんだろうな、と多少の不安に思いながらも余りにやることがなくて、カウンターの奥にある大きな画面のテレビからはレッドツェッペリンのライブ映像が流れていたけれど興味なんか対してなくて手持ち無沙汰さを紛らすには酒を飲み続けるしかなかった。

 俺、親とか姉ちゃんに云われて内心ショックだったことがあってさ、と先輩は呟いた。

 奴は、以外と話し好きでいろんな話しを飽きずに何度も喋るんだ、で僕は黙って取りあえずはテレビを見ていた。

 子供の頃にギターやっててさ、プロになりたいって何となく言ったんだよ、そしたら親も姉ちゃんもそのときは黙って聴いていたんだけど、それからたまにお前には無理なんだから諦めなさいよと、何度も言われてさ。

 それが夢にまで出て来て、朝起きたら枕が濡れていたってこと何度もあってさ。

 うん、と僕は静かに相づちを打った。

 父親もさ、自分の思い通りに俺を仕向けようってしてたからさ、ずっと俺は反発して、だから高校でてすぐに家を出たんだよ。

 俺結構上手かったんだよ、だから何となくバンドに入ったし、ライブも結構やったんだよ。

 でもさ、俺上がり症でさ、練習じゃ何ともないんだけど、おいこの曲知ってるか?

 いや、知らない。

 ウソ!知らないってかい!?

 うん。

 これは天国への階段って言って名曲なんだよ、でさ、この曲のギターパートなんかも弾いたんだけど、本番で失敗するんだよね、そのうちに声がかからなくなってさ、近所の子供にギター教えてたんだけど、俺普通に弾けたから子供に教えるのは上手くなくてさ、そのうちに辞めちゃってさ。

 僕は申し訳ないけれどエレキギターの音が苦手だから、その曲の雰囲気とかすごく上手なのは分かるけど結局BGMとしてしか聴けていなかった。

 こないださ、おばちゃんの葬式があってさ、そんときに久しぶりに姉ちゃんに会って、そしたら母ちゃんが、俺は神経が細すぎて人前でなんかやるのは無理だよ、一番合わないことに手出すからあんなに苦労ばっかりして、なんて言ってたよって俺に言うんだよ。

 で、ほんとあんたったら自分のこと全然分かってないよね、って大きな声で言われてさ。

 そんとき、お前には無理だって言う言葉の前にはお前は神経が細すぎて人前でなんかやるなんてできっこないよ、神経すり減らすだけだよなんて言葉がくっついていたんだろうなって思ってさ。

 母ちゃんも姉ちゃんも俺のこと心配してくれてたんだよね、あれからあんまり云わなくなってたけど。

 もしそのときにそういう風に言われたら、バンドに入らなかった?と尋ねてみた。

 俺さあ、莫迦だから経験してみないと分かんないんだよね、だって。

 テレビの画面はボヘミアンラプソディに変わっていた。
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