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2012.11.27 (Tue)

初対面のままのような

 考えれば不思議なことなのだが、何かの曲を練習している人が、速く弾いたら間違いが多いから、ならばゆっくりしたテンポで弾いてみてと注文すると、それもできないと云い、実際に弾いてもらうと速く弾いたときと同じように、否、それよりももっと露骨に酷い間違いをする人がいたりする。

 まるでゆっくり弾けないものだから速く弾いて誤摩化しているかのように。

 それである所でとちってしまい立ち止まってしまうと、または音が狂っているね、と僕が忠告などするとたちどころに演奏を止めて、調弦を始めて再び初めから弾き直す人がいる。

 音の狂いは調弦の拙さではなくて弦を押さえた指の力が入り過ぎて音程が狂ってしまったことが原因であって改めて調弦することでは音の狂いを修正することはできないのだが彼にはそれが分からないし、初めから弾き始めたら運が良ければ先程間違ったところは間違わずに済むだろうが、運が悪ければ再び同じところを間違うだろうし、或いは間違いは別な部分で起こる可能性だってある。

 少し考えるとそう云う状況はなんだか可笑しいように思うのだが、楽器の演奏ではそう云うことが不思議ではないと云う場合が多く、必死に練習している頃の僕もまったく同様な間違いを繰り返していた。

 そんなことは、おそらくギターばかりでなく、ピアノだとか他の楽器、声楽の人であってもそんな具合の間違いをする人が多いのではないか、声楽だったら軽快なテンポで歌っていれば不慣れなイタリア語やドイツ語フランス語の歌詞であってもなんとかそれらしく聴こえるのかもしれないがいざひとつひとつの単語のイントネーションや伴奏の音や拍数などを考えて歌おうものならすっかり歌詞を忘れてしまうなんてことも充分にあり得ることだろう。

 器楽だったら、例えば多声音楽を演奏するときなど面倒なところはそれこそ脇目もふらず息を詰めて一気に通り過ぎなければならない、僅かでも記憶に疑問が湧いてしまったらもう弾き続けることができないから、と云うようなことだって間違いなくあることだ。

 そんな目に遭いたくなければ、初めからそう云う曲は避けて通るか、やむを得ず練習する場合も初めから暗譜しようとはせずに楽譜を見て弾くことにする、と云うことに徹するしかないだろう。

 しかし楽譜と首っ引きで弾いたとしても、主題も展開も重なり具合も分からないままだから結局書かれてある音をその順番に従ってなぞるだけの演奏とも云えないものになってしまう。

 それにそんなことをしても記憶に残るものは殆どなさそうだから来る日も来る日もその楽譜と初対面状態で初めの音を弾き始めると云うような、初対面の人と一日に何度も出会ってしまうような妙な居心地の悪さだけが残るのではないか。

 そのうち遠くにその何度も出会う初対面の人を発見するとひょいと細い路地に入り込んで出会わないように苦心するようにその曲を避けるようになるのではないか、なんて思ったりする。
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