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2011.04.22 (Fri)

本番に至る

 通常僕がリサイタルを行うときには、ホールを夜間の区分だけ借りている。それはまず第一に経費の節約のためであるし、アンサンブルではなく独奏の場合にあまり長くホールを確保する理由がないと云うのが大きな理由であるからだ。

 夜間の部は区分はおそらく午後5時頃から始まるはずである。

 また多くの演奏会の場合は、開場を午後6時30分に設定することが多い。

 つまり我々が本番の準備のためにホールを使える時間は最大で1時間30分である。

 その90分を最大限に活用すれば演奏会のプログラムのすべてを弾くことが可能であるかも知れない。

 しかしホールの管理者に挨拶に行って、控え室に荷物を運び衣装を吊るし、スタッフに細々と仕事の内容を説明して、ステージでの椅子の位置を細かく決めて、そのためにマイクや照明の位置を微調整してもらい、カメラマンがくれば慌てて衣装に着替えてほぼフィルムを使い切るまで、最近はフィルムを使わないカメラを使う人が多いようだ
が、いろいろなポーズを決めて撮影してもらい、そのような作業を繰り返しているうちにあっという間に開場の時間になってしまうことが多い。

 そして30分後には、想像もできないくらい濃密な約2時間があっという間に過ぎ去っていく。

 その開場と開演の間の30分と云うある意味静止した時間の中で過ごすもの凄く微妙な世界。

 その中では腹の虫ががなり立てないようにおにぎりを頬張ったり、楽譜や演奏に関する最終チェックを行ったり、ちょっとした用事のために受け付けにいってスタッフと話しをしているとそこはすでにモギリが始まっていて不意に出会うお客さんとご挨拶をしたりして気がつけば、開演5分前である。

 その頃にはすでにステージ袖に陣取って開演を知らせるチャイムの音を待つので
ある。

 チャイムが鳴り終わった。

 客電が暗くなるのと同時にステージは明々と照明で照らされる。

 ステマネとアイコンタクトをするとドアが静かに開く。

 ドアの向こうは輝かしいホールの世界である。

 一瞬開場全体が静まり返る。

 演奏者の靴の音が高らかになり、客席から大きな拍手の音が沸き上がる。

 濃密で、華やかな約2時間が始まる。
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